本店 文芸書コーナー ※一部終了しました
本店、文芸書コーナーで始まった大きなフェアのご案内をいたします。


5本のフェア棚のうち、いちばん左の1本が
「ウリポの言語遊戯」
同じ場所にて継続開催中
水声社より翻訳が刊行された、ジョルジュ・ペレック『煙滅』(水声社)。
フランス語の原書では「E」の入った単語を全く使わずに書かれたオドロキの実験小説、翻訳者の塩塚秀一郎氏は「い」段、つまり、「いきしちにひみりゐ」を全く使わない、という方法で、見事な日本語に置き換えました。
日本の文学にも造詣の深かったペレックのこと、作中には八十、朔太郎や中原の詩も引用されています(なぜ、フルネームで挙げられなかったかは、お分かりですね)。
装丁も格好いい、熱烈にお勧めしたい1冊です。
「ウリポ(OULIPO;潜在文学工房)」とは、ジョルジュ・ペレック、レーモン・クノー(映画『地下鉄のザジ』原作者として有名)、ジャック・ルーボー、イタロ・カルヴィーノ、マルセル・デュシャンなどがメンバーとして在籍していた、ことば遊びへの探究心あふれるグループのこと。
影響を与えた、または影響を受けた作家たち、、、ボリス・ヴィアンやレーモン・ルーセル、ミシェル・レリス、ウラジーミル・ナボコフ、筒井康隆、円城塔らの著作もいっしょに並んでいます。
また、版元で品切れとなっているペレック作品も展示しています。
彼らの心意気あふれる美しい仕事に、棚の前で感嘆!してください。


その右の1.5本は、
「オマージュ 津田新吾」
場所移動して継続開催中
昨年50歳の若さで逝去された、元・青土社の名編集者、津田新吾さんの手がけた本がずらりと並んだ棚です。
吉増剛造さん、管啓次郎さん、野崎歓さん、堀江敏幸さん、田中三蔵さん、今福龍太さん、冨原眞弓さん、前田英樹さん、関口涼子さん、鄭暎惠さん、宮地尚子さん、小池寿子さん、西口徹さん、鵜飼哲さんらから寄せられた追悼文(吉増さんは、文字)を集めた小冊子の展示も行っています。
本の、肉体も魂も愛しぬき、そして本に愛された津田さんが、本文の写真や文字のレイアウトまで、どこまでも吟味しつくした、美しい本たち。
ぜひ、手にとってご覧いただければと思います。
(じつは「ウリポの言語遊戯」フェアのなかにも、津田さんの手がけた本がならんでいます!→『風の薔薇 ウリポ特集号』『人生使用法』『エリス島物語(非売品)』)


つながって0.5本は、2月9日にトークイベント「旅と翻訳」を開催したばかりの、
「管啓次郎さん、越川芳明さんの棚」
津田さんの手がけた『コヨーテ読書』(青土社)と、津田さんにささげられた『本は読めないものだから心配するな』(左右社)という管さんの二つの著作から、越川さんの翻訳&著作までが、流れるように陳列されています。
イチオシは、越川さんが訳された、スティーヴ・エリクソン『エクスタシーの湖』(筑摩書房)。
ナナメストライプのクールな表紙が眼を惹きます。カバーをはずすと、色違いのストライプがまた鮮やか。開いてみると、本文のレイアウトにまた仰天。
装丁は佐々木暁さん。お見事です。もちろん、内容もすばらしい。
越川さんの研究室が登場する「BRUTUS(特集:本が人をつくる)」も並んでいます。
ぜひぜひ、ページを開いてチェックしてみてください。
【イベント情報】 「旅と翻訳」 越川芳明×管啓次郎トークショー (本店:2010年2月9日)


ラスト、右の2本は
「群島―世界論 本の島」
今福龍太さんの大書『群島―世界論』に取り上げられた文献をメインに、100点ほどの本が集まりました。
24にトークイベントを行った吉増剛造さんの著作と並んで、島の陶酔感あふれる、ずっしりと、密度の高い棚となっています。
津田新吾さんが構想していたという「本の島」。偶然にも、あるスタッフがこのフェアに「本の島」というタイトルをつけていました。
ル・クレジオや宮沢賢治、エドゥアール・グリッサンなどが並んだこの棚と、紹介したすべての棚がつながって、「本の島々」となっています。
「一冊、一冊の本はそのままひとつひとつの島で、島と島が集まって列島をかたち作り、その列島にわれわれの心が住みつく。」
管さんの書かれた、津田新吾さんへの文章のなかの一節です。
ここに置かれた本が、お客さまとの新たな出会いを、もたらしてくれることを願っています。
ご来店お待ちしております。
(本店 文芸書担当 寺島)